第34章 スズメバチの巣をつついた

橘礼子は、娘のその反抗的な態度を目にしただけで虫唾が走った。

「まだ自分の何がいけないのか、分かってないの?」

礼儀も知らず、社交もできないから、余計な火種を呼び込むのだ。

晴美の半分でも品を身につけていれば、春山一花たち“お嬢様グループ”に嫌われることもなかったはずだ。

橘結衣は眉を寄せ、うんざりした目で母を一瞥する。

「……ただの言いがかりでしょ」

橘礼子の瞳が揺れた。

「今、なんて言ったの?」

橘結衣は取り合う気もなく、階段へ向かう。

「姉ちゃん……!」橘晴美が焦って背中に呼びかける。「ママが話してるんだよ。行かないでよぉ」

橘結衣は聞こえないふりをして、振り返りも...

ログインして続きを読む